マクロのセキュリティの注意
マクロは、業務の効率化や作業の自動化に非常に便利なツールですが、セキュリティに対する注意が必要です。
特に、外部から取得したファイルや、不明なソースから提供されたマクロを実行する際には、マルウェアやウイルスが仕込まれている可能性があるため、十分に注意を払う必要があります。
ここでは、マクロを安全に使用するためのセキュリティ上の注意点を解説します。
1. 信頼できるソースからのマクロのみ実行
マクロは、外部から提供されたファイルやメールの添付ファイルに含まれている場合があります。
これらのファイルにマルウェアやウイルスが含まれているケースもあるため、信頼できないソースからのマクロは絶対に実行しないようにしましょう。
特に、知らない人から送られてきたファイルや不審なサイトからダウンロードしたファイルは危険です。信頼できる相手や公式なソースからのみマクロを実行するようにしましょう。
2. マクロのセキュリティ設定を確認
Microsoft Officeアプリケーションには、マクロのセキュリティレベルを設定する機能があります。
これを活用して、マクロの実行を制御し、信頼できないマクロの自動実行を防止することができます。
「ファイル」メニューから「オプション」→「セキュリティセンター」→「マクロの設定」にアクセスし、適切なセキュリティレベルを選択することが重要です。
一般的には、「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」か「すべてのマクロを無効にする(デジタル署名のあるものを除く)」の設定がお勧めです。
3. デジタル署名付きのマクロを使用
マクロには、デジタル署名が付けられている場合があります。デジタル署名は、そのマクロが信頼できる作成者によって提供されたものであることを証明するものです。
デジタル署名付きのマクロを優先的に使用し、署名のないマクロは実行しないようにすることで、セキュリティリスクを低減できます。
デジタル署名のあるマクロは、安全性が高いため、これを基準に安全なマクロを実行する習慣をつけましょう。
4. セキュリティソフトの導入
マクロを含むファイルを使用する際には、セキュリティソフトをインストールし、ウイルスやマルウェアのスキャンを定期的に行うことが推奨されます。
セキュリティソフトは、マクロに潜む悪意のあるコードを検出し、実行前に警告を出すことで、リスクを回避するのに役立ちます。
また、常にセキュリティソフトを最新の状態に保ち、最新の脅威にも対応できるようにすることが重要です。
5. マクロを使用する際のエラーチェック
マクロを実行する際にエラーチェックを行うことも重要です。
VBAで作成されたマクロの場合、エラーハンドリングを組み込むことで、実行中にエラーが発生した場合でも適切に対処し、悪意のあるコードや予期しない動作を防ぐことができます。
エラーチェックをしっかりと実装することで、マクロの安定性と安全性を高めることが可能です。
6. 必要なマクロのみ有効にする
マクロは便利なツールですが、不要なマクロを有効にしているとセキュリティリスクが高まります。
必要なマクロのみ有効にし、不要なマクロや使用しないマクロは無効にすることで、セキュリティリスクを低減できます。
特に、プロジェクトや業務に関係のないマクロが含まれている場合、それらを削除または無効にしておくことが推奨されます。
7. マクロの使用を組織全体で管理
組織全体でマクロを使用する場合、IT部門や管理者がマクロの使用を管理・監視することが重要です。
統一されたセキュリティポリシーを設定し、信頼できるマクロのみが実行されるように管理することで、組織全体のセキュリティを確保できます。
また、定期的なセキュリティ教育やトレーニングを行い、従業員が安全にマクロを使用できるように指導することも有効です。
このように、マクロは便利で強力なツールですが、セキュリティに注意して使用することが不可欠です。
信頼できるソースからのマクロのみを実行し、セキュリティ設定やソフトウェアを活用してリスクを最小限に抑えることが、安心してマクロを活用するための基本となります。