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C++の標準テンプレートライブラリ(STL)とは?効率的な開発に必須のライブラリ群

C++には、あらかじめ便利な機能が集められた「STL(Standard Template Library)」と呼ばれるライブラリがあります。 STLを使うことで、データ構造やアルゴリズムを簡単に、安全に扱うことができます。

この記事では、STLの概要や主要なコンポーネント、基本的な使い方について、初心者向けにわかりやすく解説します。

STLとは?

STL(Standard Template Library)とは、C++に標準で用意された汎用的なライブラリで、主に以下の3つで構成されています。

  1. コンテナ(Container):データを格納する型(例:vector, list, mapなど)
  2. イテレータ(Iterator):コンテナ内の要素を順番にアクセスする道具
  3. アルゴリズム(Algorithm):並べ替え、検索、コピーなどの処理

コンテナとは?

コンテナは、複数のデータを効率よく管理するための入れ物です。 STLにはさまざまなコンテナがあります。

コンテナ名特徴
vector配列のように使える動的なリスト
list双方向リスト。挿入・削除が高速
deque前後に挿入可能なキュー
stack後入れ先出し(LIFO)のデータ構造
queue先入れ先出し(FIFO)のデータ構造
mapキーと値のペアを格納(辞書型)
set重複しない集合

vectorの使用例

#include <iostream>
#include <vector>
using namespace std;

int main() {
    vector<int> nums = {1, 2, 3, 4};

    nums.push_back(5);

    for (int n : nums) {
        cout << n << " ";
    }
    return 0;
}

このように、vectorを使えば動的な配列操作が簡単にできます。

イテレータとは?

イテレータ(Iterator)は、コンテナ内の要素に順番にアクセスするための仕組みです。 begin()end() を使って操作します。

vector<int> nums = {1, 2, 3};

for (vector<int>::iterator it = nums.begin(); it != nums.end(); ++it) {
    cout << *it << " ";
}

アルゴリズムとは?

STLには、並べ替え、検索、コピーなどの便利な関数群も用意されています。
たとえば sort を使ってベクターを並べ替えることができます。

#include <algorithm>

vector<int> nums = {3, 1, 4, 2};

sort(nums.begin(), nums.end());  // 昇順に並び替え

STLのメリット

  1. コードが短くなる
    よく使う処理が簡単に書ける。
  2. バグが減る
    多くの人に使われ、テストされた信頼性の高い機能。
  3. 型安全で高速
    テンプレートベースで柔軟かつ高性能。

注意点

  • 複雑な使い方になると可読性が下がることがある。
  • イテレータやアルゴリズムは少し慣れが必要。

まとめ

C++のSTLは、開発効率とコードの信頼性を高めるために欠かせない標準ライブラリです。 vectorやmapといったコンテナをはじめ、イテレータやアルゴリズムまで幅広く活用できます。

まずはvectorsortなどの基本から使ってみて、STLの便利さを実感してみましょう!