ITパスポート試験の基本知識:システム開発ライフサイクル(SDLC)とは?
SDLC(System Development Life Cycle)とは、情報システムの企画から開発・運用・廃棄に至るまでの一連の流れを段階的に整理した枠組みです。
システムを効率的かつ安全に構築・管理するために用いられる考え方で、ITパスポート試験でも基本用語として頻出します。
SDLCの主な6つの工程
- @ 企画(要求の明確化)
業務課題やニーズを把握し、システム化の目的や範囲を明確にする段階。
- A 要件定義
利用者の業務や目的に基づき、「何を実現するか(システムの仕様)」を明文化する。
- B システム設計
要件をもとに、システムの構造・機能・データ処理方法などを具体的に設計する。基本設計と詳細設計に分けられる。
- C プログラミング(開発)
設計書に基づいて実際にプログラムをコーディングし、必要なソフトウェアやデータベースを作成する。
- D テスト
完成したプログラムが要件どおりに動作するか確認する。単体テスト、結合テスト、総合テスト、受入テストなどがある。
- E 運用・保守
実際の業務で使用しながら、障害対応・改善・機能追加などのメンテナンスを継続する。
SDLCの目的
- 開発作業の抜け漏れを防ぐ
- 品質と効率のバランスを保つ
- 関係者間で役割と工程を明確にする
- 将来の保守や改修をしやすくする
代表的な開発モデル
- ウォーターフォールモデル:各工程を順番に進める伝統的な方法
- スパイラルモデル:リスクを考慮しながら段階的に開発を進める
- プロトタイピングモデル:試作品を使って要件を早期に固める
- アジャイル開発:短い開発サイクルで柔軟に対応する現代的手法
ITパスポート試験で問われるポイント
- 各工程の名称と役割を正しく理解しているか
- ウォーターフォール型とアジャイル型の違い
- 「要件定義と設計の違い」など、工程の境目を区別できているか
まとめ
- SDLCは「システムの一生(ライフサイクル)」を段階ごとに整理した考え方
- 企画から保守まで、計画的・体系的に進めることが重要
- 試験では工程の順序や目的、関連用語を理解しておくことがポイント
システム開発ライフサイクルは、システムの成功を左右する基本的な考え方です。
試験では工程の名称や内容を正確に理解し、開発手法との関係も押さえておきましょう。