VBの定数(Constant)について
Visual Basic(VB)における定数とは、「値が変わらない変数」のようなもので、プログラムの中で常に同じ値を持ち続ける名前付きの値のことです。定数を使うことで、プログラムの可読性や保守性が高まり、ミスも防ぎやすくなります。
定数の特徴
定数は、一度値を設定したら変更することができません。たとえば、消費税率や1年の日数など、今後変更される予定がない、または簡単に変えてはいけない値を表すのに適しています。
定数の宣言方法
VBでは、定数の宣言に Const
キーワードを使います。変数と違い、値の代入は宣言時に行います。書き方は以下のようになります。
Const 定数名 As データ型 = 値
例:
Const TAX_RATE As Double = 0.1
Const DAYS_IN_YEAR As Integer = 365
Const GREETING As String = "こんにちは"
定数を使うメリット
- 可読性の向上:「0.1」と書くよりも「TAX_RATE」の方が意味が明確
- 変更が簡単: 値を変更したいときは定数の宣言部分を直すだけで済む
- 保守性が高い: どこで使われているかが明確になるので、ミスを防げる
定数と変数の違い
項目 |
変数 |
定数 |
値の変更 |
可能 |
不可 |
宣言キーワード |
Dim |
Const |
代入タイミング |
宣言時または後から |
宣言時のみ |
定数の使いどころ
以下のような場面で定数はとても役立ちます。
- 税率・割引率・配送料などの料金計算
- アプリケーション名や著作権表示など、変更のない情報
- 繰り返し使う固定値(例:最大値や最小値)
定数を使った実用例
Const TAX_RATE As Double = 0.1
Dim price As Double
Dim total As Double
price = 1000
total = price * (1 + TAX_RATE)
MsgBox "税込価格は " & total & " 円です。"
この例では、TAX_RATE
を定数として使い、商品の税込価格を計算しています。定数を使うことで、税率が変更になった場合でも、定数の値を1か所直すだけで対応できます。
まとめ
定数は、プログラムの中で変わることのない値を明確に表すための便利な仕組みです。使いこなすことで、より安全で読みやすいコードを作ることができます。変わらない値はなるべく定数にしておく習慣をつけると、VBプログラミングのレベルがグッと上がります。