VBのプロパティ(Property)について
Visual Basic(VB)における プロパティ(Property) とは、クラスや構造体のメンバー変数(フィールド)へのアクセスを制御する仕組みです。フィールドの値を読み書きするための「入り口」として機能し、データのカプセル化や安全な操作を可能にします。
プロパティの基本構文
Private _name As String
Public Property Name() As String
Get
Return _name
End Get
Set(value As String)
_name = value
End Set
End Property
この例では、_name
というフィールドに対して、Name
というプロパティを通じてアクセスできるようにしています。
プロパティの役割
- フィールドへのアクセスを制限・監視できる
- 読み取り専用、書き込み専用にも設定可能
- 設定時に値のチェックや処理を行える
自動実装プロパティ
特に追加処理が不要な場合は、以下のように簡略化できます。
Public Property Age As Integer
この形式では、VBが自動的にフィールドを用意してくれます。
読み取り専用プロパティ(Getのみ)
Public ReadOnly Property Today As Date
Get
Return Date.Now
End Get
End Property
書き込み専用プロパティ(Setのみ)
Private _secret As String
Public WriteOnly Property SecretCode As String
Set(value As String)
_secret = value
End Set
End Property
プロパティを使うメリット
- 値のバリデーション(検証)を簡単に実装できる
- クラスの設計をわかりやすく整理できる
- UI コントロールでも頻繁に利用される
活用例:値の制限を加えるプロパティ
Private _score As Integer
Public Property Score As Integer
Get
Return _score
End Get
Set(value As Integer)
If value >= 0 AndAlso value <= 100 Then
_score = value
Else
MsgBox("スコアは0〜100の範囲で入力してください")
End If
End Set
End Property
フォームやコントロールにもあるプロパティ
VBの Button
や TextBox
などのコントロールにも、プロパティが数多く用意されています。
Text
:表示・入力されている文字
Enabled
:有効・無効の切り替え
Visible
:表示・非表示
BackColor
:背景色
Font
:フォントの種類とサイズ
まとめ
プロパティ(Property)は、データへのアクセス方法を柔軟に制御できる重要な機能です。自動実装プロパティでシンプルに、Get/Set を活用して複雑な処理にも対応できます。クラス設計やコントロール操作でも多用されるため、早めに慣れておくと VB プログラミングがぐっと快適になります。