JavaScriptのグローバル汚染を防ぐ方法とは?安全なスクリプト管理の基本
JavaScriptでは、グローバルスコープ(=どこからでもアクセスできる領域)に変数や関数を大量に置いてしまうと、グローバル汚染(Global Pollution)が発生します。
グローバル汚染は、変数の上書きや名前の衝突、予期せぬ不具合の原因になります。
この記事では、グローバル汚染を防ぐための代表的な手法をわかりやすく解説します。
なぜグローバル汚染が問題なのか?
- 変数や関数名が他のスクリプトと衝突する
- 他人のコードと干渉してバグを起こす
- どこで定義されたかわからなくなる
- コードの可読性・保守性が著しく下がる
グローバル汚染を防ぐ主な手法
@ 即時関数(IIFE)でスコープを分ける
(function() {
const secret = "これはローカル変数";
console.log(secret);
})();
console.log(secret); // エラー:secret is not defined
IIFE(即時関数)を使うと、関数内スコープに変数を閉じ込めることができ、グローバルには影響しません。
A モジュール(ES Modules)を使う
<script type="module">
を使えば、そのスクリプト内の変数はグローバルではなくモジュールスコープになります。
// main.js
const message = "モジュール内の変数";
<script type="module" src="main.js"></script>
他のスクリプトと変数が衝突しなくなります。
B 名前空間(オブジェクト)を使う
1つのグローバル変数にまとめて、その下に機能を配置します。
const MyApp = {
utils: {
sayHello: function(name) {
console.log("こんにちは、" + name);
}
}
};
MyApp.utils.sayHello("太郎");
グローバルにはMyApp
だけが存在するので、衝突のリスクを減らせます。
C let / const を使う(var を避ける)
var
は関数スコープしか持たないため、ブロック内で書いても外から見えてしまうことがあります。
let
や const
を使えば、ブロックスコープを正しく保てます。
{
let count = 1;
const msg = "ブロック内だけ有効";
}
console.log(count); // エラー:count is not defined
D クラスやモジュールでまとめる
ES6以降では、クラスやモジュールの活用が主流です。
class Greeter {
constructor(name) {
this.name = name;
}
greet() {
console.log("こんにちは、" + this.name);
}
}
const user = new Greeter("花子");
user.greet();
クラスにまとめることで、グローバルに不要な関数や変数を出さずに済みます。
まとめ
- グローバル汚染は予期せぬバグや管理の難しさを引き起こす
- 即時関数やモジュールを使ってスコープを分離する
- 名前空間で変数や関数を整理する
let
/ const
を使ってブロックスコープを守る
- 現代的な開発ではモジュールとクラスを積極的に活用する
グローバル汚染を防ぐことは、スクリプトを安全かつ効率的に保つための第一歩です。
小規模なコードでも、将来を見据えてスコープの整理を意識する習慣を身につけていきましょう。