PHPのトレイト（trait）とは？コードの再利用を実現する仕組みを解説

PHPのオブジェクト指向プログラミングでは、トレイト（trait）を使うことで、複数のクラス間で共通のメソッドを再利用することができます。
継承とは異なり、トレイトは「部分的な機能の使い回し」を目的とした柔軟な仕組みです。

トレイトの基本構文

trait トレイト名 {
  public function メソッド名() {
    // 処理内容
  }
}

例：

trait Logger {
  public function log($message) {
    echo "[LOG] " . $message;
  }
}

クラスでトレイトを使用する

use キーワードを使って、クラス内でトレイトを取り込みます。

class User {
  use Logger;

  public function create() {
    $this->log("ユーザー作成");
  }
}

$user = new User();
$user->create(); // [LOG] ユーザー作成

複数のトレイトを同時に使う

trait A {
  public function methodA() {
    echo "Aの機能";
  }
}

trait B {
  public function methodB() {
    echo "Bの機能";
  }
}

class Sample {
  use A, B;
}

$obj = new Sample();
$obj->methodA(); // Aの機能
$obj->methodB(); // Bの機能

トレイトと継承の違い

メソッドの競合と解決

同じ名前のメソッドを複数のトレイトが持っている場合、insteadof や as を使って解決できます。

trait A {
  public function hello() {
    echo "A";
  }
}

trait B {
  public function hello() {
    echo "B";
  }
}

class Sample {
  use A, B {
    B::hello insteadof A;
    A::hello as helloFromA;
  }
}

$obj = new Sample();
$obj->hello();       // B
$obj->helloFromA();  // A

まとめ

• トレイトは複数のクラスで共通の機能を再利用する仕組み
• use を使ってクラスに取り込む
• 継承と異なり、複数のトレイトを同時に使用できる
• メソッドの競合は insteadof や as で解決可能

トレイトを使うことで、クラス間で重複するコードを効率よくまとめることができます。
よく使う共通処理が複数のクラスに必要なときは、ぜひトレイトの活用を検討してみましょう。