PHPの名前空間（Namespace）とは？クラスや関数の重複を防ぐ仕組みを解説
大規模なPHPアプリケーションを開発する際に便利なのが、名前空間（namespace）です。
名前空間を使うことで、クラス名・関数名・定数などの衝突を防ぎ、整理されたコード設計が可能になります。
名前空間の基本構文
<?php
namespace 名前空間名;
// クラスや関数、定数などの定義
?>
例：
<?php
namespace App\Models;
class User {
public function getName() {
return "ユーザー名";
}
}
?>
このように、App\Models という名前空間の中に User クラスを定義しています。
名前空間付きクラスの呼び出し
定義した名前空間付きクラスを使うには、完全修飾名または use 文 を使います。
1. 完全修飾名で呼び出す
$user = new \App\Models\User();
2. use文でエイリアス（別名）を使う
use App\Models\User;
$user = new User();
関数や定数にも使える
namespace MyLib;
function greet() {
return "こんにちは";
}
const VERSION = "1.0";
関数や定数にも名前空間を適用できます。
サブ名前空間
名前空間は \（バックスラッシュ）で区切って階層的に表現できます。
namespace App\Controllers\Admin;
上記のようにすると、App → Controllers → Admin という構造になります。
グローバル名前空間
PHPの標準関数などは「グローバル名前空間」に属しています。
名前空間内から呼び出すときは、\ をつけて明示することもできます。
namespace MyApp;
echo \strlen("文字列"); // グローバルの strlen を使用
オートロードとの連携
名前空間とディレクトリ構造を対応させることで、オートロードとの相性も良くなります（例：PSR-4）。
namespace App\Controllers;
// ファイルパス：App/Controllers/HomeController.php
まとめ
- 名前空間はクラス名・関数名・定数の重複を防ぐための仕組み
namespace 名前空間名; で定義use 文を使って簡単に呼び出せる- 階層構造を持つことができ、整理しやすい
- オートロードと組み合わせることで、効率的な設計が可能
名前空間は、複数人での開発や外部ライブラリとの共存など、大規模開発において欠かせない仕組みです。
小規模なプロジェクトでも、早いうちから名前空間を意識した設計を行うことで、後々の拡張や保守がしやすくなります。
