応用情報技術者試験のセキュリティ管理:リスクアセスメントとは?
リスクアセスメント(Risk Assessment)とは、情報資産に対して存在する脅威や脆弱性を特定・評価し、それらが業務に与える影響や発生可能性を分析するプロセスです。
情報セキュリティ管理やBCP策定、システム開発において重要な工程のひとつです。
リスクアセスメントの目的
- 情報資産を保護するための優先順位を明確化する
- 経営判断や対策選定の根拠を提供する
- 重大なリスクの早期発見・予防につなげる
リスクの構成要素
- 脅威(Threat): 情報資産に損害を与える可能性のある要因(例:ウイルス、地震、内部不正)
- 脆弱性(Vulnerability): 脅威による被害を許す弱点(例:未更新のソフト、パスワードの使い回し)
- 資産(Asset): 保護すべき情報や設備(例:顧客情報、サーバ、社内ネットワーク)
リスクアセスメントのステップ
- 1. 情報資産の洗い出し: 対象となる資産の特定と分類
- 2. 脅威と脆弱性の識別: 想定される脅威と弱点をリストアップ
- 3. リスクの評価: リスクの発生可能性 × 影響度を数値化・分類
- 4. 対策の選定: 回避・軽減・移転・受容のいずれかを選択
リスク対応の4つの基本方針
- 回避: リスクの原因となる行動をやめる
- 軽減: 対策を講じて影響や可能性を小さくする
- 移転: 保険加入や外部委託で他者にリスクを移す
- 受容: 経営判断としてリスクを受け入れる
定量評価と定性評価
- 定性評価: リスクの大きさを「高・中・低」などで表す(簡便・主観的)
- 定量評価: 数値(損害額や発生確率)で評価(精密だが手間がかかる)
応用情報技術者試験での出題ポイント
- リスク=「脅威 × 脆弱性 × 資産価値」の理解
- リスク対応の4分類(回避・軽減・移転・受容)
- 定性評価・定量評価の特徴
- リスク評価の優先順位付け方法(リスクマトリクスなど)
学習のコツ
- 現実の業務やシステムを題材に「何が脅威か?」を想像してみる
- 定性的な分類と、数値での評価を図解で整理すると覚えやすい
- リスクとコストのバランスを考え、実行可能な対応策を意識する
まとめ
- リスクアセスメント: 情報資産に対するリスクを分析・評価するプロセス
- 評価結果に基づいて「何を優先して守るか」を判断
- 試験では、「リスクの定義・評価手法・対応策」の理解が問われる
リスクアセスメントは、セキュリティ対策や事業継続の土台となる重要なプロセスです。
応用情報技術者試験では、「理論」だけでなく「どう活用するか」という実務視点が求められるため、具体的な例と一緒に学ぶことが効果的です。