応用情報技術者試験のスケジュール管理:アローダイアグラム法(PERT)とは?
アローダイアグラム法(Arrow Diagramming Method)とは、プロジェクトの作業工程を矢印(アロー)で表し、作業の順序関係や全体の流れを視覚的に示す手法です。
特に、作業の最長経路(クリティカルパス)を見つけるために使われるため、PERT(Program Evaluation and Review Technique)としても知られています。
アローダイアグラム法の目的
- 作業の流れと依存関係を明確にする
- プロジェクト完了までの所要時間を見積もる
- 重要な作業(クリティカルパス)を特定することで、遅延リスクを管理する
図の構成要素
- アクティビティ(作業): 矢印で表し、所要時間を記載
- イベント(出来事): 丸印または節点で表す(作業の開始・終了点)
- ダミー作業: 実作業はないが、依存関係を示すための矢印(所要時間は0)
PERT(アローダイアグラム)で使われる時間の見積り
- 楽観値(O): 最短で完了する場合の時間
- 悲観値(P): 最長でかかる時間
- 最頻値(M): 最も起こりやすい時間
- 期待時間(TE): TE = (O + 4M + P) ÷ 6
クリティカルパスとは?
プロジェクト全体の中で、最も長い所要時間を要する経路をクリティカルパスと呼びます。
この経路上の作業が遅れると、プロジェクト全体の遅延につながるため、特に注意が必要です。
アローダイアグラム法とバーチャート(ガントチャート)の違い
- アローダイアグラム: 作業の順序関係を重視、計算重視
- ガントチャート: スケジュールの視覚的把握に優れ、進捗管理に使われる
応用情報技術者試験での出題ポイント
- アローダイアグラムの読み取り・作成
- 期待時間(TE)の計算
- 最早開始時刻・最遅開始時刻の求め方
- クリティカルパスの特定
学習のコツ
- まずは小規模なアローダイアグラムを紙に書いて練習
- TEの計算と前後関係の把握に慣れる
- 「どの作業が遅れると全体に影響があるか?」を常に意識
まとめ
- アローダイアグラム法: 作業の関係を矢印で図示する工程管理手法
- PERT分析では楽観・悲観・最頻値から期待時間を算出
- クリティカルパスを見つけることで、進行上の重要作業が明確になる
アローダイアグラム法は、計画段階でのスケジュール管理に欠かせない手法です。
応用情報技術者試験では、図の読み取りやクリティカルパスの計算問題が頻出するため、手書きで図を描く練習を重ねて理解を深めましょう。