基本情報技術者試験の言語分類:手続き型言語(C言語など)とは?
手続き型言語(Procedural Language)とは、処理手順(手続き)を順序立てて記述するプログラミング言語のことです。
プログラムを「上から下へ順に実行する流れ」で構成し、繰り返し・分岐・関数などの制御構造を用いて処理を記述します。
代表的な手続き型言語
- C言語: 高速処理と汎用性に優れ、組込み系でも広く使用
- Pascal: 教育用途でよく使われた構造化言語
- Fortran: 数値計算や科学技術計算で活用される
- BASIC: 初心者向けの簡易言語として知られる
手続き型言語の特徴
- 処理は逐次的に実行される(上から下)
- 関数・手続きで処理を分割し、再利用性を高める
- 変数はグローバル/ローカルなどスコープを意識する
- 制御構造(if文、for文、while文など)を多用する
C言語の基本構文(例)
#include <stdio.h>
int main() {
int a = 5;
if (a > 0) {
printf("正の数です。\n");
}
return 0;
}
手続き型言語のメリット
- 処理の流れが明確で初心者に理解しやすい
- 効率的な実行が可能(ハードウェアに近い制御)
- 構造化プログラミングにより、保守性が高い
デメリット・限界
- データと処理が分離しているため、複雑なデータ構造の管理が難しくなる
- 大規模開発では、オブジェクト指向に比べて再利用性や拡張性が劣る
手続き型 vs オブジェクト指向型
比較項目 | 手続き型 | オブジェクト指向型 |
中心概念 | 手続き(処理) | オブジェクト(データ+処理) |
再利用性 | やや低い | 高い(継承やポリモーフィズム) |
適する規模 | 小〜中規模 | 中〜大規模 |
主な言語 | C, Pascal | Java, C++, Python |
基本情報技術者試験での出題ポイント
- C言語や擬似言語における手続き型の構文理解
- 制御構造の正確なトレース
- 関数呼び出し、引数、戻り値、変数スコープの理解
まとめ
- 手続き型言語は「処理の流れ」を重視したプログラミング手法
- シンプルで高速な処理が可能なため、基礎学習や組込み開発に適する
- 基本情報技術者試験では、構文・処理手順・スコープなどの理解が重要
手続き型言語は、プログラミングの原点とも言えるスタイルです。
試験では、C言語に似た擬似言語を使ったトレース問題がよく出題されるため、制御構造と関数の処理を正確に読み取る力を養いましょう。