基本情報技術者試験の社会的責任:情報倫理/個人情報保護法
ITの発展とともに、情報の適切な取り扱いが重要になっています。
その中核となる考え方が情報倫理と、法律として定められた個人情報保護法です。
情報を扱う技術者として、正しい理解と実践が求められます。
情報倫理とは?
- 情報社会において、人として守るべきモラルや責任に関する考え方
- 法律だけでなく、良識・マナー・信頼といった社会的価値観も含む
- 技術者には特に倫理的判断と社会的責任が求められる
情報倫理の実例
- 他人の著作物を無断転載しない
- システムの脆弱性を悪用しない
- 不正アクセスやなりすましを行わない
- プライバシー情報を漏らさない
個人情報保護法とは?
- 個人を特定できる情報を適切に取り扱うための法律
- 正式名称は「個人情報の保護に関する法律」
- 2005年に全面施行され、時代に応じて改正されている(最新は令和改正)
個人情報の定義
- 氏名、住所、電話番号、メールアドレス、顔写真など
- マイナンバーや健康情報、位置情報などの要配慮個人情報も含まれる
個人情報取扱事業者の義務
- 利用目的の明示
- 本人の同意を得た収集・提供
- 安全管理措置(アクセス制御・暗号化など)
- 第三者提供の制限と記録
個人情報保護委員会
- 法律の運用・監督・指導を行う独立機関
- 違反事業者への行政指導・命令・罰則の実施
基本情報技術者試験での出題ポイント
- 情報倫理と法律の違い(倫理=モラル、法=ルール)
- 個人情報の範囲や、取り扱いの原則
- 「本人の同意」「目的外利用」「第三者提供」などのキーワード
学習のコツ
- 法律的な用語だけでなく、現実のトラブル事例と結びつけて考える
- 「もし自分の情報だったら?」という視点を持つ
- 改正点(オプトアウト・外国提供の制限など)も確認する
まとめ
- 情報倫理: 情報社会で守るべきモラルや責任
- 個人情報保護法: 個人情報を適切に管理するための法律
- IT技術者には、法令遵守だけでなく倫理的判断が重要
技術の力を安心・安全に使うためには、「できること」と「してはいけないこと」の区別が必要です。
基本情報技術者試験では、こうした社会的・倫理的な視点があるかどうかも評価されます。
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