基本情報技術者試験の重要テーマ:トランザクションとACID特性とは?
トランザクション(Transaction)とは、データベースに対する一連の処理をひとまとまりとして扱う単位です。
例えば「銀行の振込処理」のように、複数の操作をまとめて実行し、すべてが成功したときだけ反映することで、データの整合性を保ちます。
トランザクションの代表的な例
「Aさんの口座から1万円引き出し、Bさんの口座に1万円を入金」
- 処理1:Aさんの残高を -10,000
- 処理2:Bさんの残高を +10,000
どちらか一方だけが成功すると不整合が生じるため、両方成功したときのみ確定(コミット)、失敗時は取り消し(ロールバック)されます。
ACID特性とは?
トランザクション処理に求められる4つの性質を「ACID特性」と呼びます。
- A(Atomicity:原子性)
トランザクション内のすべての処理が一体不可分であること。途中で止まらず、すべて成功またはすべて失敗する。
- C(Consistency:一貫性)
トランザクション実行前後で、データの整合性が保たれていること。
- I(Isolation:独立性)
複数のトランザクションが同時に実行されても、互いに干渉しないこと。
- D(Durability:永続性)
一度コミットされたトランザクションの内容は、障害が起きても失われないこと。
主な制御操作
- BEGIN(START) TRANSACTION: トランザクション開始
- COMMIT: 処理の確定(保存)
- ROLLBACK: 処理の取消(元に戻す)
基本情報技術者試験での出題ポイント
- ACIDの4要素の意味と英語表現
- トランザクション制御の流れ(BEGIN → COMMIT/ROLLBACK)
- 不整合を防ぐために必要な処理・設計の理解
学習のコツ
- 銀行の振込処理や在庫管理など、現実の処理例に当てはめて考える
- ACIDの4文字を単語ごとにイメージで覚える
- COMMIT/ROLLBACKのタイミングを図解で整理する
まとめ
- トランザクション: 一連の処理を1つの単位として管理
- ACID特性: 原子性・一貫性・独立性・永続性を備える必要がある
- 試験では用語の理解と処理の流れを問う問題が出る
トランザクションとACID特性は、正確なデータ管理を行うための基盤です。
基本情報技術者試験では、用語と概念の理解に加えて、実例から仕組みをイメージできることが求められます。