AccessのVBAコード格納場所:モジュール(Module)とは?
モジュール(Module)とは、AccessでVBA(Visual Basic for Applications)のコードを記述・保存する場所のことです。
マクロよりも高度で柔軟な自動処理を行いたいときに使用し、関数や手続き(プロシージャ)をまとめて管理
主な用途
- 繰り返し使う処理の関数化(カスタム関数)
- フォームやレポートで使うイベント処理の記述
- エラー処理を含んだ複雑な処理の実装
- 条件分岐・ループなどの論理的な処理制御
モジュールの種類
- 標準モジュール: 全体で使用できるプロシージャや関数を記述
- クラスモジュール: フォームやレポートごとに割り当てられ、イベントに対応
モジュールの作成手順
- [作成]タブ → [モジュール]をクリック
- VBAエディタが起動
- SubプロシージャやFunctionを記述
- 保存してモジュールに名前を付ける
基本構文の例
■ Subプロシージャ(手続き)
Sub メッセージ表示()
MsgBox "こんにちは、Access!"
End Sub
■ Function(関数)
Function 消費税計算(金額 As Double) As Double
消費税計算 = 金額 * 0.1
End Function
呼び出し方法
- フォームのボタンに割り当てる([イベント]プロパティ → [VBAコード])
- 他の関数やモジュール内から呼び出す
- マクロから「RunCode」で呼び出す
VBAで使える構文の例
- If 〜 Then 〜 Else: 条件分岐
- For 〜 Next: ループ処理
- Do While 〜 Loop: 条件付き繰り返し
- MsgBox: メッセージの表示
- DoCmd オブジェクト: フォーム操作やレポート印刷
注意点
- コードのミスは実行時エラーを引き起こすため、事前にデバッグが重要
- セキュリティ設定によりVBAコードの実行が制限されることがある
- 複数人で管理する際は命名規則やコメントをしっかり記述する
まとめ
- モジュール: AccessでVBAコードを管理するファイル
- 標準モジュールとクラスモジュールの2種類がある
- マクロでは対応できない複雑な処理や条件分岐を柔軟に対応可能
モジュールは、Accessを単なる入力ツールから本格的な業務アプリケーションへ進化させる鍵です。
小さなプロシージャから始めて、徐々に自動化の幅を広げていくことで、より効率的なデータベース運用が実現できます。